IHIと野村不動産、横浜に物流施設竣工
IHIと野村不動産は4月18日、横浜市金沢区に共同開発した大規模物流施設「Landport横浜杉田」が竣工し、満床稼働を開始したと発表した。
物流業界では、2024年の時間外労働規制強化や2026年からのCLO(物流統括管理者)設置義務化を背景に、人手不足対応や物流拠点の防災・雇用機能の強化が課題となっている。両社は自動化や省人化に加え、荷主企業にとって雇用対策・防災対策を考慮した施設選択の重要性が高まっているとみて、本施設を「オープン・シェア型」物流施設として開発した。
建物には自動倉庫のビルトインを前提とした仕様を取り入れ、IHIグループの物流機器と、野村不動産のカテゴリーマルチ型物流施設の運営ノウハウ、企業間共創プログラムを通じて、荷役・保管・輸配送など物流業務の自動化や省人化を行う。自動機器のレンタルサービスなども組み合わせ、サプライチェーン全体の効率化と物流コスト抑制を図る。
一方、ソフト面では、地域コミュニティ活動の促進による雇用機会の創出を掲げる。横浜市金沢区と津波発生時の施設提供に関する防災協定を締結し、収容人数1,000人想定の津波避難施設として登録された。今後、防災イベントの定期開催などを通じて、防災・環境保全などの社会インフラ機能の向上に取り組む。
地域連携では、杉田地域の歴史的樹木「杉田梅」の保護・普及活動に参画し、施設内広場「LandHOOP」に杉田梅を植樹した。地元団体が実施する「杉田梅まつり」と連動し、イベントを通じて歴史文化の発信と樹木の保護を進める。
また、マルチテナント型賃貸物流施設として国内で初めてとする屋上スマートコミュニティ農園「“Vegestic Farm” Yokohama Sugita by grow」を2025年6月に設置する計画を示した。AIやIoTを用いて土壌や水分量を管理し、テナント企業のワーカー交流や食農学習、ワークライフバランス向上に活用するほか、将来的には地域住民も参加できる交流拠点とする方針だ。
物流施設概要
施設名:Landport 横浜杉田
所在地:神奈川県横浜市金沢区昭和町3174
交通アクセス:首都高速湾岸線「杉田」出入口680m、JR根岸線「新杉田」駅徒歩16分、横浜シーサイドライン「南部市場」駅徒歩4分
敷地面積:71,034.94m²(21,488.06坪)
延床面積:163,409.47m²(49,431.36坪)
設計・施工:五洋建設(株)
構造・規模:地上4階建・柱RC梁S造・免震構造 ダブルランプ型
その他の建物の特徴:【コミュニティスペースの設置(2025年4月末完成予定)】・施設東側のランプ下に、総座席数46席の「コミュニティスペース」を設置・テナント企業様だけでなく、地域住民の方も利用可能【BCP対策】・地震による揺れを最小限に抑える「免震構造」の採用・停電発生時から「72時間運転可能」な非常用発電機を完備・防災備蓄庫を設置し、災害に備えた備品を保管【サステナビリティの取り組み】・施設屋上を活用した太陽光発電システムを導入し、使用電力をグリーン電力とすることにより、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の最高ランクを取得予定・既存井戸を、外構広場の植栽散水用および有時の際の災害用水として再利用可能